ビッグデータの重要性と活用事例を紹介

 公開日:2022.08.29

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。

ビジネスの発展のため、今、ビッグデータの重要性が注目されています。

そもそもビッグデータとはどのようなもので、なぜこれほどまでに重要視されてきているのでしょうか。

ビッグデータについての基礎知識や、活用事例について解説します。

ビッグデータの基本知識を得た上で、自社の業務に役立てていきましょう。

目 次

  • そもそもビッグデータとは何か
  • 重要視されるビッグデータ
  • ビッグデータを活用した企業事例を紹介
  • まとめ

そもそもビッグデータとは何か

ビッグデータという言葉を耳にする機会は増えてはいますが、それは具体的にどういったものなのか、「実はよくわかっていない…」という方が多いのではないでしょうか。

ビッグデータとは、さまざまな種類と性質を持った、膨大な量のデータのことです。

リアルタイムに更新されることや、さまざまな形をしている点も特徴の一つです。

ビッグデータという言葉に、明確な定義はありません。

企業向けの情報システムメーカーなどで、多く用いられている言葉です。

ビッグデータが活用されるようになった背景には、ITテクノロジーの進化があります。

人の行動を逐一データ化すれば、その量は膨大なものとなります。

しかし、ITテクノロジーの進化により、膨大なデータを保管・分析できる環境が整いました。

ビッグデータをどう活用するのか、どのようなメリットに結び付けていくのかは、今まさに多くの企業で考えられています。

ビッグデータには、表の縦列と横列で表現できる構造化データと、文書データや音声データ、SNSなどのような表には表せない非構造化データが存在しています。

もともとコンピューターが得意としていたのは、構造化データの収集や分析でした。

しかし近年、より注目されているのは非構造化データのほうです。

こうしたデータも分析できるようになったことで、より精度の高い「予測」につなげられるようになってきています。

日本におけるビッグデータの歴史は、2010年頃から始まったと言われています。

スマートフォンや各種デバイスの小型化や低価格化、クラウドの普及などにより、ビッグデータの活用が進められてきました。

重要視されるビッグデータ

ビッグデータが重要視される理由は、その活用によって多くのメリットを得られると期待できるからです。

過去の顧客の購買活動を分析すれば、より効果的なプロモーションを実践できるでしょう。

精度の高い需要予測ができれば、余分な在庫を抱えるリスクが少なくなります。

業務プロセスに潜む無駄が明らかになれば、業務効率化や生産性向上を推進していけるはずです。

顧客の隠れたニーズを把握できれば、新たなビジネスチャンスを生み出せるでしょう。

何らかの施策を実施した場合に、その結果について精度の高い情報を得られれば、その効果のほどを知ることができます。

何も情報がない状況の中で、「業務に携わるヒトの経験や勘」だけに頼ってビジネスを行うスタイルには、リスクがあります。

ビッグデータから得られた分析結果を活用すれば、これまで見えていなかった情報を知った上で、ビジネスを進めていけるようになります。

ビッグデータを活用している企業と活用していない企業の間には、非常に大きな差が生まれてしまう可能性があるでしょう。

ビッグデータを活用した企業事例を紹介

ビッグデータの活用は、さまざまな企業で進められています。

2020年3月に株式会社情報通信総合研究所が発表した報告書によると、ビッグデータの活用によって、イノベーション創出効果が生まれることがわかっています。

また、英国企業のデータ活用の調査から、「オンラインデータの使用(オンライン顧客データの収集・分析・展開)が大きくなると、生産性(TFP)が8%高くなる」という結果が明らかにされています。

日本企業に対して行ったアンケートの結果によると、「データ活用の影響」についての質問に対し、88.8%の企業が「何らかの変化・影響を感じる」と回答しました。

影響を感じる項目として特に多く挙げられたのが、「業務効率の改善(54.8%)」や「意思決定の向上(45.4%)」でしたので、ビッグデータの活用によって、より効率良くスピーディーに業務を進められていることがわかりました。

参考:株式会社 情報通信総合研究所

「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究の請負報告書」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/r02_05_houkoku.pdf

実際に大手メーカーのA社では、ビッグデータを活用して業務効率改善を進めています。

コールセンターに寄せられた相談内容から、修理に必要な部品を自動で割り出せる環境を実現しました。

これにより、コールセンター業務だけではなく、現場の修理作業員の業務への負担も軽減しています。

タクシー業界においても、ビッグデータの活用は進んでいます。

月・曜日・時間・天候などの各種条件別に顧客数を予測し、より多くの顧客獲得と業務効率化を実現しています。

ビッグデータの活用方法と聞くと、ECサイトのレコメンドをイメージする方が多いのではないでしょうか。

しかし実際には、ビッグデータを活用できる場面は幅広く、うまく活用すればさまざまな改革につなげていけます。

まとめ

ビッグデータが注目されている理由は、情報が武器になるからです。

物事が容易に移り変わる時代だからこそ、情報をもとにして先々を見据えた行動が求められています。

ビッグデータから導き出せる各種情報は、今後の企業活動を支える柱の一つになってくれるのではないでしょうか。

ビッグデータを活用できる環境を整備するために最適な、COMITXの導入についてもご検討ください。