AIと人間の融合から生まれた、AIデータエントリー AI×OCR導入成功のポイントとは

 公開日:2021.05.21

著者プロフィール

范 蘭芳(はん らんほう)

株式会社InfoDeliver 取締役
COMITX事業ユニット CEO

常に「最⼩コスト」の精神と「Day1(初⼼)」の⼼構えで、将来を⾒据えたお客様のための価値創造と⾃らの進化に挑んでいきます。

データエントリーに課題を抱える企業から、今注目されているのが“AIデータエントリー”です。

従来のデータエントリー業務にAIを組み合わせることで、より効率的に業務を進められるようになってきています。

今回はそんなAIデータエントリーについて、基本的な仕組みや失敗しないためのポイントを紹介します。

目 次

    • AI×OCRだけではNGな理由
    • 人間による確認、修正が必要
    • 業務に合わせた最適なプロセスデザインが必要
    • まとめ

AI×OCRだけではNGな理由

AIデータエントリーの要になるのは、AI×OCRです。

AI×OCRとは、OCRの技術にAIを組み合わせたもの。

Optical Character Reader(またはRecognition)、いわゆるOCRは、画像データからテキスト部分のみを判別し、自動でデータ入力できる仕組みを指します。

非常に画期的な仕組みではあったものの、文字認識や判別に課題があり、実際のビジネスの場で使用できる機会は限定的でした。

そこにAIを組み合わせて誕生したのが、AI×OCRです。

AIの技術を組み込むことで、手書き文字の読み取り精度は格段に向上しています。

機械学習やディープラーニングによって、AIは手書き文字の癖にも対応可能に。

事前にデータを準備しておけば、業界用語や日本語以外にも対応できるというメリットがあります。

AI×OCRの登場により、OCRは、これまで以上に身近な存在となっています。

ひとつひとつの文字情報を、わざわざ人が打ち込まなくても、自動で入力してくれる仕組みが実現しています。

人がデータエントリー業務を行う場合、人的ミスの発生や長時間業務による集中力の低下など、多くの問題が発生していました。

これまでは「仕方がないこと」と受け入れてきたデメリットも、AI×OCRの登場によって、大きく様変わりしてきています。

とはいえ残念ながら、「AI×OCRだけですべてを完結できる」という段階にまでは至っていません。

従来のOCRよりも、その性能は格段に向上しているとはいえ、AIがすべての手書き文字を確実に読み取れるわけではないためです。

AI×OCRに人の手を組み合わせて行われるのが、AIデータエントリーです。

人間による確認、修正が必要

AIデータエントリーの、もうひとつの要になるのが「人間」です。

AI×OCRを導入しても、最終的な判断は人間が行うことになります。

・きちんとデータが反映されているか?

・入力されたデータに間違いはないか?

・データが欠けている部分はないか?

特に「癖の強い手書き文字」や「文書に傷みや破損が生じている場合」には、AI×OCRによる読み取り精度が低下してしまいます。

誤っているデータを見つけたら、それを正しいものへと訂正するステップが必要となります。

最終的な確認は人の手で行う場合でも、それ以前の業務は、AI×OCRによって格段に効率化されています。

導入しなかった場合と比較して、データエントリーに必要な人材・コストは大幅に削減できるでしょう。

しかしながら、「全部をAIがやってくれるはず」「どんな書類でも大丈夫」と思っていた方にとっては、AI×OCRの導入に際して「こんなはずではなかった…」という失敗にもつながりがちです。

AI×OCRの導入を検討する場合には、機械のみですべての作業を完結できるわけではないこと、人との共同作業の中でうまく働くシステムであることを理解した上で、決定するのがおすすめです。

業務に合わせた最適なプロセスデザインが必要

AI×OCRを使いこなし、業務改善につなげるためには、業務の内容や特徴に合わせて、それぞれで最適なプロセスを創り出す必要があります。

AI×OCRの導入そのものは、決して難しくはないでしょう。

しかし、それを社内でうまく使いこなせるかどうかは、また別の問題です。

蓄積されたデータを分析し、未来を予測した上で今求められるビジネスアクションを提示できるBAや、確かな経験と豊富な知識を有するオペレーションメンバーは必須と言えます。

AIデータエントリーを検討する場合、「それを社内でどう生かし、自分たちらしい形で活用していくのか」というプロセスにまで目を向けて、しっかりと検討していきましょう。

まとめ

AI×OCRの導入には、数多くのメリットがあります。

とはいえ、正しく活用するためには、人間によるオペレーションの組み合わせが必須です。

そうした事実を踏まえた上で、どう導入するのがベストなのかを検討する必要があります。

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導入によって、個々の業務プロセスが効率化されるのはもちろんのこと、業務全体の最適化が可能になります。

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